優樹杉

木材にとって1番重要なポイント。それは『乾燥』です。しかし、日本の針葉樹はなかなか乾きません。特に杉は、水を吸い上げる為の導管の細胞 の隔壁膜が他の材種に比べて特に丈夫な為 、他の木と違ってとても乾きにくいのです。そこで、現在は80~100℃、もしくはそれ以上の温度で乾燥させる、高温乾燥が当たり前となっています。ただ、高温による木の内部の水分を沸騰させてしまう様な手段だと、内部の大切な有効成分もろとも吐き出させてしまうことになってしまいます。人間に例えると、まさにミイラのような状態です。


いままで、木を市場に出荷していましたがそこから何処に売られるのか、どんな活かし方、使われ方をするのか分かりません。『奇跡の杉』という一冊の本がきっかけで、愛工房に出逢い、2014年12月、縁あり愛工房導入を実現しました。先祖代々手塩をかけて育ててきた杉たち。彼らが持つ生命力を最大限に生かた生きた木材、『優樹(ユウキ)杉®』が誕生しました。


愛工房は、従来の乾燥機と違い、一見とてもシンプル、例えるなら木でできたサウナ室です。もちろん、人間も乾燥中に中に入る事ができ、手足を延ばし寛ぐことが出来ます。45℃の優しく柔らかい温風で、木も人間と同じ様に快く汗をかき(水分移動して)乾いて行きます。


45度という酵素の生存が可能な温度で木材を均一に乾燥させるため木が本来持っている、色、艶、粘り、強度、芳香成分、防虫成分、精油などの生命エキスを全て残し、木の放つ命を感じられる製品となっています。川上から川下まで自分達の目で見届け、木を想って下さるお客様に届ける事の出来る顔の見える生産者でありたいと強く思います。